
人的資本経営における課題と解決策とは?企業で有効な取り組み4選
会社の価値を高めるといわれている人的資本経営は、現在さまざまな会社で導入が進んでいます。しかし、人的資本経営を適切に推進するためには自社の課題の把握と解決が必要です。
この記事では、人的資本経営における代表的な課題と解決に向けた取り組み、おすすめのシステムについて詳しく解説します。
目次[非表示]
- 1.人的資本経営の課題とは
- 2.人的資本経営推進における代表的な課題
- 3.人的資本経営の課題解決に有効な取り組み
- 3.1.①時代に即した制度・環境の整備
- 3.2.②心理的安全性の確保
- 3.3.③人事部門と事業部門の連携
- 3.4.④経営陣による人的資本経営の理解と基準の設置
- 4.人的資本の状態を定量的に評価するA’Uno
- 5.まとめ
人的資本経営の課題とは
人的資本経営とは人材を経営上の重要な資本として捉え、その価値を最大限引き出すことで会社の将来的な価値を創造・向上させるための経営手法です。
具体的には社員のスキルやモチベーション向上、継続したイノベーションなどを通して中長期的に会社の価値を向上させることが人的資本経営の目的です。
近年では産業構造の変化や市場の変化、技術動向の変化や人材確保の困難化に伴い、人的資本経営を重要視する会社が増加傾向にあります。
人的資本経営推進における代表的な課題
ここでは、人的資本経営推進における代表的な課題を3つ紹介します。
①人材データを収集・分析できていない
人的資本経営を推進していくためには、人材に関するデータを収集・分析し、社員に足りていないスキルや今後必要になる人材の把握をすることが重要です。
しかし、会社によっては人的資本の現状を把握するために必要な人材データを収集する手段が不足していることから、十分な人材データの収集と分析ができないケースがあります。
また、人材データを収集はしているものの適切な管理や分析ができていないケースもあり、人的資本経営の推進を遅らせる要因の一つになっています。
②人的資本経営の目的が浸透していない
人的資本経営の目的が不明確な場合、経営戦略と人材戦略が連動せずに会社の競争力の向上を阻害し、持続的な成長を遅らせる可能性があります。
人的資本経営を推進するためには、人的資本経営を取り入れる目的や今後の目標などを明確にして会社全体に周知することが大切です。
社員や経営層を含めた関係者全員が同じ意識を持ち、人的資本経営の目的を理解することで効果が出やすくなります。
③多様な人材を受け入れる体制が整っていない
会社によっては多様化する人材や働き方に社内体制が追いついていないケースも少なくなく、人的資本経営が円滑に進められない課題があります。
人的資本経営を適切に推進するためには、多様な人材を受け入れられる制度や体制の整備が欠かせません。
労働条件や労働環境、人事評価制度や福利厚生などが人的資本経営の目的と乖離している場合は、制度や体制の見直しが必要です。
人的資本経営の課題解決に有効な取り組み
ここでは、人的資本経営の課題解決に有効な取り組みを4つ紹介します。
①時代に即した制度・環境の整備
人的資本経営を適切に行うためには社員一人ひとりが持つニーズに応え、魅力的だと思えるような制度や環境の整備が欠かせません。
時代の流れとともに社員のニーズや世間の動向は変化するため、時代に即した制度・環境に改善し続けることが必要です。
近年では、ワークライフバランスを重視した働きがいを求める求職者や従業員が増えており、満足度の高いフレキシブルな働き方や人事評価制度を採用することで人的資本経営を推進できます。
人事評価制度や労働条件、環境などを整備するために、アンケートで実態を調査するとより具体的なニーズが見えてきます。
②心理的安全性の確保
人的資本経営における課題を解決するためには、心理的安全性を確保することが大切です。
心理的安全性とは、従業員がお互いに自分の考えや意見を誰に対しても気兼ねなく発言できる状態のことをいいます。
心理的安全性を高めることで質問やアイデアを出しても周りに受け止めてもらえると信じることができ、素直に思ったことを発言できる環境が構築できます。
反対に、上司による高圧的な言動や風通しの悪い職場環境は心理的安全性を低下させる要因であり、社内風土を損なう原因の一つです。
心理的安全性の確保は従業員が安心して意見やアイデアを発信できる環境が構築できるだけではなく、従業員同士のコミュニケーションが活性化し、お互いを高め合い成長できる社内風土や職場環境の構築に役立ちます。
③人事部門と事業部門の連携
人的資本経営を推進するためには、人事部門と事業部門の連携は必要不可欠です。
人事部門と事業部門が連動した取り組みを行うことで、人材データの収集・分析・活用が効率化し、従業員のニーズや必要な人材を明確にできます。
それぞれの部門の役割分担を明確化し、両部門の合同プロジェクトの推進や定期的な会議などを行うことでより密な連携が期待できます。
④経営陣による人的資本経営の理解と基準の設置
人的資本経営を推進する場合は会社全体でその意味や目的を理解しておくことが大切であり、特に経営陣による理解と基準の設置は課題解決のカギとなります。
経営陣が人的資本経営を経営戦略として捉えて人材を重視する姿勢を示すことで、会社全体の取り組みとして推進することが可能です。
なお、有価証券報告書を提出する上場企業に対しては、人的資本情報を開示することが義務付けられています。
人的資本の定義や目的、成果の測定方法などを明確にし、人的資本情報開示におけるガイドラインや項目に沿って人的資本情報の開示基準を設定することでより均質な評価ができるようになります。
人的資本経営に対する従業員の理解を深めるためには経営陣による人事部門への支援などが有用です。
人的資本の状態を定量的に評価するA’Uno
人的資本経営の効果としてのエンゲージメントを定量的に測るのであれば、従業員に対するさまざまな調査から対策まで実施できる『A’Uno(アウーノ)』がおすすめです。
A’Unoはアンケート調査の収集をはじめ、従業員のエンゲージメントやメンタルヘルスなどの可視化、データ分析・活用を包括的にサポートします。
課題の深掘りや施策サポートのためのコンサルタントによる1on1面談のサービスをオプションで提供しており、環境改善に貢献することが可能です。
まとめ
この記事では、人的資本経営における課題について以下の内容で解説しました。
- 人的資本経営の課題とは
- 人的資本経営推進における代表的な課題
- 人的資本経営の課題解決に有効な取り組み
- 人的資本の状態を定量的に評価するA’Uno
さまざまな会社で導入が進んでいる人的資本経営を適切に推進するためには、課題の把握と解決が重要です。
課題を解決しないまま人的資本経営を推進してしまうと、期待するような効果が得られない恐れがあります。
心理的安全性や時代に即した制度・環境の整備などの取り組みを行うことで人的資本経営を円滑に推進できるようになるはずです。
人的資本経営の推進をより効果的に行うのであれば、アンケート調査ができるシステムの導入も一つの選択肢です。
SOMPOヘルスサポート株式会社が提供する『A’Uno』は、従業員のエンゲージメントやメンタルヘルスをアンケート調査で把握して、そのあとの分析から対策まで支援するシステムです。
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