テレワークの離職防止効果を高める方法とは？実践すべき5つの対策
テレワーク導入を検討している企業にとって、働き方の変化によるモチベーションや生産性の低下は必ず防ぐべき課題です。
優秀で将来性のある人材の離職防止にテレワークの導入は有効な手段であり、導入するにあたって効果を最大化する方法を心得ておく必要があります。
この記事では、テレワークの離職防止効果を高める方法について徹底解説します。
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テレワークは離職防止に効果的
オフィス以外の場所で勤務するテレワークは、従業員に多様性のある働き方をもたらす就業形態です。
時間と場所にとらわれず働くことができるため、オフィス環境での作業にストレスを抱えている従業員に対して、メンタルヘルスの改善を促進することが可能です。
また、在宅勤務をしながら出産や育児、家族の介護などにも柔軟に対応できることから、ワークライフバランスの向上にも寄与します。
特に長期的なテレワークを実施できる業界や職種においては、離職防止の有効策となります。
テレワークの実施率
近年、テレワークの導入が加速した大きな要因に挙げられるのが、新型コロナの感染拡大に伴う働き方改革です。
新型コロナが本格的に流行したのは2020年以降ですが、テレワークの導入率は2016年から上昇傾向にあります。総務省通信利用動向調査によると、テレワークを実施している企業の割合は2016年で13.9%でした。
新型コロナ対策としてテレワーク導入を推進した後の推移を見ると、2020年には47.5%、2021年には51.9％と実施率が比較的向上したことが分かります。
出典：2023年5月22日 第13回 テレワーク関係府省連絡会議｜総務省
東京都産業労働局では、2023年6月における東京都内のテレワーク実施状況を公表しています。従業員30人以上の企業を対象として実施された調査では、テレワーク実施率は44.0％だったようです。前年同月は54.6%だったため、下降傾向にある状況です。
アフターコロナ時代になり、徐々にテレワークを実施する企業が減少の傾向にあるとみられますが、依然高い実施率であることがうかがえます。
テレワーク導入のメリット
テレワークの導入により、企業にもたらされる主なメリットを紹介します。
出産や介護による不安の解消につながる
テレワークの導入により、従業員は在宅勤務を選択できるため、仕事と家庭の両立がよりスムーズに行えるようになります。
出産後の子育て期間には、テレワークをすることで通勤時間をなくすことができ、保育施設への送迎がしやすくなります。
また、介護を必要とする家族がいる場合、オフィス勤務と介護の両立によりストレスを抱えることがあります。
テレワークなら通勤ストレスがなくなり、突発的な介護の必要が生じた場合に柔軟に対応できるため、介護による負担を軽減できるでしょう。
ワークライフバランスの実現に貢献できる
テレワークの導入は、仕事と家庭を上手に両立したい従業員やプライベートを重視したい従業員のニーズに応える有効な手段です。
仕事とプライベートを調和させることができる環境が整うことで、従業員の仕事に対する満足度が高まり、離職意向が軽減される可能性があります。
企業にとっては、優秀な人材の定着を促進し、組織の安定性と成長につなげられる大きなメリットがあります。
テレワーク導入のデメリット
テレワークの導入はメリットばかりではなく、以下のようなデメリットも生じます。
- 対面でのコミュニケーションが疎かになり、情報共有や意思疎通に課題が生じる
- 自宅で単独で仕事をすることで、孤独感やストレスが増加する可能性あり
- 仕事と生活の境界が曖昧になり、オーバーワークに陥る可能性あり
- プライベートやリフレッシュの機会が減少し、メンタル不調につながる可能性あり
上記を対策しなければ、テレワークが離職の原因になる可能性もあります。そのため、従業員一人ひとりと向き合い、どのような働き方を求めているかニーズの調査を行うことも大事です。
テレワーク導入後に離職防止効果を高める5つの方法
テレワークを導入する企業は、どのような対策を講じることで離職防止効果を高められるのか詳しく解説します。
①社員同士のコミュニケーション不足を解消する
テレワークの実施に伴い、社員同士には物理的な距離ができ、オフィスよりもコミュニケーションが難しくなります。
コミュニケーション不足を解消するには、気軽にチャットや通話ができるコミュニケーションツールを導入するのがおすすめです。
また、部門・部署やチーム単位で定例のオンライン会議を実施し、コミュニケーションの活性化を図ることも有効です。
②サテライトセンターでの研修・勉強会の実施
テレワーク導入後に、従業員のオーバーワークや知識の偏りを防止するためには、サテライトセンターの設置が推奨されます。
サテライトセンターでの研修・勉強会は、スキルアップや専門知識の向上に役立ち、異なる働き方をしている従業員の知識の標準化を図れます。
また、従業員に自己成長の機会を与えることで、キャリア発展に対する動機づけを高め、仕事への意欲を増進させる効果も期待できます。
③エンゲージメントやメンタルヘルスを可視化する
非対面で働く従業員に対して、エンゲージメントやメンタルヘルスの管理が疎かになることで、会社への忠誠心が低下し、離職の原因になる場合があります。
エンゲージメントやメンタルヘルスは、現在の働き方や労働時間、業務などを設問にしたアンケートを実施することで可視化できます。
アンケート調査から分析まで可能な専門ツールを利用することで、現状の課題と解決策が見つかりやすくなるため、離職防止に効果的な施策を検討できます。
④専門職による1on1ミーティングを実施する
専門職による1on1ミーティングの実施は、従業員と個別に対話することで現状の働き方の課題や懸念点が共有されるため、適切なフィードバックにつなげられます。
アンケート調査の結果に基づき、従業員個々の悩みを深掘りすることで、より具体的な改善策が導かれます。1on1ミーティングは、従業員の満足度やモチベーションを向上させるうえで非常に重要な取り組みです。
定期的なコミュニケーション強化により、従業員の組織に対する忠誠心を強化し、離職率の低減につなげることができます。
⑤外部のソリューションを利用する
1on1ミーティングに対応可能な専門職や、サテライトセンターでの研修を企画するリソースが足りない場合、アウトソーシング企業に依頼することも視野に入れましょう。
複数社のアウトソーシング企業を比較し、1on1ミーティングや研修の支援実績やノウハウの有無に注目し、自社に最適な1社に絞ることが大事です。
自社内のリソースでなるべく解決したい場合は、離職防止に役立つ機能を搭載したITツールの導入がおすすめです。
ITツールを導入する際は、自社の課題や目標に応じた効果的な運用までサポートしているサービス事業者を選定しましょう。
まとめ
この記事では、テレワークの離職防止について以下の内容で解説しました。
- テレワークの実施率
- テレワーク導入のメリット・デメリット
- テレワーク導入後に離職防止効果を高める方法
テレワークの導入は、時間や場所にとらわれない多様性のある働き方を実現し、従業員のワークライフバランスの向上に寄与します。
ただし、オフィスとは異なる環境での労働により、モチベーションや生産性の低下につながるケースもあるため、エンゲージメントやメンタルヘルスの管理が不可欠です。
