
エンゲージメントサーベイ分析の正しい方法!設問や分析ポイントを解説
組織の持続的な成長と目標達成に向けて、従業員のエンゲージメントを可視化・分析できるエンゲージメントサーベイの導入は非常に効果的です。
エンゲージメントサーベイ分析によって、組織の状態を定量的に見える化することができるため、現状の課題にしっかりアプローチできる施策実施につなげられます。
この記事では、エンゲージメントサーベイ分析の正しい方法や設問・分析の重要ポイントを解説します。
目次[非表示]
- 1.エンゲージメントサーベイ分析とは
- 2.エンゲージメントサーベイ分析がもたらすメリット
- 3.エンゲージメントサーベイ分析の正しい方法と重要ポイント
- 3.1.目的を明確化
- 3.2.目標に応じた質問項目の設定
- 3.3.アンケート調査によるデータの収集
- 3.4.データの深掘りと課題の洗い出し
- 3.5.調査結果のフィードバックと対話
- 3.6.データに基づいた人事施策の実施
- 4.まとめ
- 5.あわせて読みたい
エンゲージメントサーベイ分析とは
エンゲージメントサーベイとは、従業員の組織のビジョンに対する共感度合いや組織への貢献意欲であるエンゲージメントを測定し、組織の状態を可視化する診断ツールのことです。
具体的には、アンケート調査を実施し、その回答内容を分析することでエンゲージメントを数値化し、グラフやチャートを用いて視覚的に課題を発見します。
エンゲージメントサーベイの大きな目的は、人事や組織の本質的な課題の解決です。従業員の労働条件に対する満足度調査ではなく、組織と従業員の客観的な関係性を指標化し、企業の理念やビジョンの浸透度合い、上司や同僚との関係性などを測定します。
エンゲージメントサーベイ分析は、アンケート調査の質問項目ごとに組織や社員のエンゲージメントを可視化します。組織と社員の現状を定量化することで、エンゲージメント向上につながる具体的な人事施策を立てやすくなるのが大きなメリットです。
エンゲージメントサーベイ分析がもたらすメリット
エンゲージメントサーベイ分析の導入は、企業に以下のようなメリットをもたらします。
- 部下と上司の関係性を評価し、改善につなげられる
- 組織に属する従業員の貢献度合いや労働生産性を可視化できる
- 従業員のエンゲージメントを可視化することで、離職防止策を検討できる
- 従業員の課題に合わせた解決策で生産性向上につなげられる
- 従業員に対する理解が高まり、より適切な評価ができるようになる
エンゲージメントサーベイは、従業員のエンゲージメントにフォーカスすることで、組織の潜在的な課題を抽出できる手段です。
エンゲージメントサーベイ分析の正しい方法と重要ポイント
ここからは、エンゲージメントサーベイ分析を行う流れや、フェーズごとの重要ポイントを解説します。
目的を明確化
エンゲージメントサーベイ分析を始める前に、社内で目的や必要性を浸透させる必要があります。
まずは、組織の課題に応じて以下のような目標を設定します。
- エンゲージメントの向上
- ウェルビーイングの向上
- 新入社員の離職防止
- 優秀な人材の流出防止
- 1on1ミーティングの改善
- 人材育成制度、人材開発施策の改善 など
目的を明確にしたあとは、従業員に対して「質問に回答する必要があるのか」「回答内容が何の参考にされるのか」などを周知しましょう。
目標に応じた質問項目の設定
エンゲージメントサーベイでの設問は自社で独自に設定することもあれば、エンゲージメントサーベイのサービス事業者が設定したものを使うこともあります。
最もシンプルなエンゲージメントサーベイの設問として知られているのが、米国ベイン・アンド・カンパニー社が提唱したNPS®を応用したeNPS(Employee Net Promoter Score)です。
eNPSでは「現職場で労働することを親しい人に勧めたいか」というテーマで0点〜10点の評価を行います。高評価の推奨者の割合から低評価の批判者の割合を減算した値がeNPSにあたります。
他にも、米国のコンサルティング会社であるGallup社が開発した、 12問の回答からミッションやビジョンの浸透度合い、上司との関係性などをスコアリングするQ12などの設問がエンゲージメントサーベイによく用いられます。
組織ごとに最適な設問を設定したい場合には、専門的な知見とノウハウを持つエンゲージメントサーベイのプロに依頼しましょう。
アンケート調査によるデータの収集
設問が完了したあとは、エンゲージメントサーベイのアンケート機能を利用して従業員から回答データを収集しましょう。
回答データはエンゲージメントサーベイ内のシステムに保存されます。また、エンゲージメントサーベイの実施頻度は、質問項目の多さや現場の忙しさを考慮しながら決定します。
データの深掘りと課題の洗い出し
アンケート調査の実施後は、各設問の属性や経年で比較し、エンゲージメントの変化量とその要因を分析します。
これにより、組織や従業員の属性ごとにエンゲージメントが高い項目・低い項目が明らかになるだけではなく、質問間の相関関係なども考慮した分析が可能になります。
組織ごとのエンゲージメントの状態はエンゲージメントスコアとも呼ばれ、部署ごとのスコアの比較や経年比較を行なうことで課題を抽出できます。
数字の上昇・下降だけを見るのではなく、「なぜそのように変化したのか」「どのような要因があったのか」を読み解くことが重要です。
調査結果のフィードバックと対話
エンゲージメントサーベイの分析結果は、グラフやチャートにして視覚的に分かりやすい状態で従業員に共有しましょう。
回答者全員に分析結果をフィードバックすることで、組織全体での対話と解決策の提案ができるようになります。
エンゲージメントサーベイは、組織の現状を定量的なデータで示すことができるため、数値を根拠として全員が同じ目線で意見を交わせるのが大きなメリットです。
データに基づいた人事施策の実施
エンゲージメントサーベイが示す客観的な分析データをもとに、具体的な人事施策の立案および実施を行います。
例えば、分析結果から部下と上司との関係性が良好でないと判明した場合、定期的な1on1ミーティングでコミュニケーションを促進し、信頼関係の構築を支援することができます。
エンゲージメントが低い従業員に対しては、テレワークやフレックスタイムなどの導入で労働時間制を改善したり、キャリアプランの充実化で目標を持って働きやすい環境づくりをしたりする施策が効果的です。
組織に対して従業員が求める理想と現実のギャップを把握し、現状のニーズを理解したうえで施策の目的や方向性を定めましょう。
まとめ
この記事では、エンゲージメントサーベイ分析について以下の内容で解説しました。
- エンゲージメントサーベイ分析がもたらすメリット
- エンゲージメントサーベイ分析の正しい方法
- エンゲージメントサーベイ分析の重要ポイント
エンゲージメントサーベイ分析を行うことで組織の課題が可視化され、分析データを活用することで人事施策やチーム運営の改善につなげることができます。
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